今年読んで面白かった本を、このような中途半端な時期にまとめてみる。 また年末にまとめなおす。
ノンフィクション
「ぼくらの頭脳の鍛え方」立花隆・佐藤優 … 本の読み方について。自分も多読な方なので共感できた。未読だが、小飼弾や勝間和代の読書姿勢もインタビューやレビューなどで見る限りは同様のよう。なお「インテリジェンス」は佐藤優がリードして手嶋龍一をべた褒めな一方、「ぼくらの」は比較的佐藤優は引き気味で構えていて、姿勢の違いが面白い。なお、佐藤優の強調する「インテリジェンス」は、彼の頭のキレもあるのだろうが、周囲に信用されやすい性質だったことと専門分野の影響も大きいように思う。「自壊する帝国」を読むと、佐藤優本人が情報に知見を加えることだけでなく、周囲のアドバイスを受けている記述も多い。
「考える技術・書く技術」板坂元 … 板坂元の勧めるカード整理を立花隆は否定している。たしかにカード作成は時間もかかるので否定するのは理解できるが、自分の意見や仮説がない状況でとにかく大量の情報量が来ているとき、要点だけ書き出して思考整理をするというのは悪くない。読んだ内容を頭の中への収納・整理する方法が確立されていない私のような人間には有用だと思う。 自分の立場が明らかでない状況で流し込んだところで大事なものも不要なものも全てただ流れていってしまうだけだから。
「Subject To Change」Peter Merholz … iPadが出たので最近のユーザーインターフェース周りについて追っておこうと買った本の中のひとつ。大きく頷きながら読んだ。ちなみに一連のAppleのデジタルガジェットについて「あれはAppleのブランド力で売れているのであり、同じものを他社が出しても『カッコイイ』とはならないだろう」と言う人がいるが、その発想自体が間違いであり、同じものを作ろうとしたところで、あのデザインに行き着く会社は少ないと思う。真面目に調べていないが、「使っているときの気持ちよさ」を明確に重視していそうな日本企業は、少々遠い距離を含めたソフトウェア分野では任天堂とCookpadぐらいしかしらない。 通常の会社は機能に比べてユーザーエクスペリエンスを軽視するから。軽視しないとしても、伝言ゲームに齟齬が生じないよう、強いディレクション又は全員の意識共有が可能な小規模なチーム編成が必要であるように思う。
「大規模サービス技術入門」伊藤直也・田中慎司 … Web+DB PRESSの雑誌も気に入っているし、このソフトカバー本のPlusシリーズも良い。
「もう消費すら快楽じゃない彼女へ」田口ランディ … 初めて会った、ゴミだらけで殆どモノがない銀座のホステスの家に泊めてもらい、「もう彼女にとっては消費ですら快楽ではないのだ」で終わる一話目が印象的。「バカの壁」と同時にBookoffで100円で購入し、同時期に読んだ。いずれも2000年頃刊行されているエッセイ。これを買った日は「そういえば清貧の思想という本があった」などと過去のベストセラーを思い出していたため、当時の雰囲気を今の感覚で感じたかったのだと思う。 最近起きてきたと言われていることはもう少なくとも10年以上前から起きているのだと確認。
ここで書いた「サラリーマンは2度破産する」「下流喰い」 もためになった。さらに「自己破産の現場」というのも読んだが、こちらは筆者の主観と思い入れで事実関係が薄まるところがいまひとつ。
フィクション、映画、ゲーム
「食堂かたつむり」小川糸 … つまらない人にはつまらないと思う。私は村上春樹「遠い太鼓」と並んでよく読み返す。
「レイトン教授と不思議な町」 … 一時期「英国紳士だからね」が口癖に。
「バットマン ビギンズ」 … ダークナイトも良い。
「今度は愛妻家」 … 普段からちゃんと愛情は伝えないと。
「サプリ」おかざき真里 … キャリア女性であった(と思われる)筆者の、仕事場で仕事をするキャリア女性についての数少ない貴重な漫画。
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