最近考えてたことの備忘録です。よ。
「思想としてのパソコン」が面白かった。西垣通先生が比較的長いまとめを前段に書き、古典的(で数式等々は出てこない、思想的な)名論文の翻訳を何本か収録したもの。
今手元にないが、私の理解では、コンピュータの利用目的はArtificial Intelligence(人工知能)とIntelligent Amplifier(知能増幅)であるということだ。前者はコンピュータが自分で考え、後者は人間の知的活動を強化するもの。いわゆるパソコンが発展するということは、知能増幅としてのコンピュータが発展するということだといえる。
ところで、携帯はパソコンよりもインターフェースに制限がある。人間が判断できるほど十分な情報量を提示できるデバイスではないし、そのような目的のデバイスでもないと思う。携帯の利用が増えれば、人工知能的なコンピュータの利用が増える……かもしれない。
MIT OCW「Structure and Interpretation of Computer Programs」のLecture Note 1には「"This course is about Computer Science"という紹介があるが、この講義はサイエンスでもなければコンピュータの講義ですらない」という導入がある。
サイエンスについては「アートではなくエンジニアリングだ」と言っているだけだが、コンピュータについては地理学と対比して説明している。いわく「地理学は地図を作るための学問だったが、やがて地図を作るための測量器具の開発の比重が非常に大きくなった」と。
コンピュータを作る目的が人工知能と知能増幅であるならば、具体的な計算方法と、計算を実現するサーバー、ネットワーク、ミドルウェアといった実態とそのアーキテクチャーは、地理学で言うところの測量器具にあたるだろう。
私の知る限りでは、「測量器具」のチューニングを考えるときには、
・計算量 (1計算あたりのスケーラビリティ)
・定義 (データ構造、インターフェースの明示化)
・依存の非循環性 (インターフェース定義、仮想化による相互依存削減)
・分散処理の可能性 (システム全体でのスケーラビリティ)
あたりが要点だと思われる。……が、明確に網羅的に言えるようになるためには、もう少し系統だった勉強が自分に必要。
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